研究室のトイレで吐いていた話

日常, 過去話シリーズ

タイトル通りの実際にあった話。ここからは当時の自分目線で話していく。



教授との研究報告会が何よりも嫌だった。それは僕が無能な人間であるからだ。実験の進行が遅いこと、パワーポイント資料が見づらいこと、質問に対する発言など、これらの要素ひとつひとつが教授を呆れさせ、毎度のように注意を受けていた。何度も言うがそれは僕が無能だからであって、教授の言っていることは何ひとつも間違っていない。だが、教授の言い方がまるで僕の存在意義を否定しているかのようで辛かった。「全然話にならない」や「○○(僕の名前)では無理か」であったり、終いには「○○(僕の名前)ももう終わりだな、やめるか?研究」と言われることもあった。教授としては僕のためを思って、少し厳しめに発破をかけていただけかもしれない。しかし脆弱な僕のメンタルでは、教授の発する言葉の数々に耐えることができなかった。

同じ研究室の中でも教授からダメ出しを多く受けていた方だと思う。時には、他人と比較されてダメ出しを受けることもあった。それが何よりも苦痛だった。報告会の直前には胃痛のため、トイレに籠ることもしばしばあった。これ以上言われるのが辛く、何とかしようと研究室に長時間居残る生活が続いた。風呂に入らずに脂ぎった髪のまま、研究室に泊まることもざらにあった。睡眠も椅子を三脚ほど並べてベッド替わりにし、仮眠をとる程度であった。

ある日の深夜2時頃。その日に報告会を控えていた僕は、研究室で資料を手直ししていた。静まり返った部屋で、ふと未来の自分の姿を脳内に思い浮かべてみる。場所はいつものゼミ室。そこには教授の前で頭を下げている自分がいた。一方教授はというと、今僕が必死に作っている資料を白けた目で見ている。そんな光景を思い浮かべてしまった。

我に返ると時計の針の音が聞こえるほど静かな部屋。デスクには、エナジードリンクと作成中の発表資料。時間は深夜3時。



一体・・・僕は何をしているのだろう。

急に吐き気を催した。我慢できず急いで近くのトイレに駆け込んで嘔吐した。見るに堪えない最悪な光景だった。それから吐き気はなかなか収まらず、資料作成の傍らで研究室とトイレを往復しながら朝を迎えた。



結局その日の報告会も、いつも通り教授からダメ出しを受けて終わった。

と、ここまで被害者面をして話してきたが、これはあくまで当時の自分目線で書いたものである。よって今思うと、「どうせ僕なんか」と卑屈になり、現状に甘えて何の改善策も打たなかった方が悪いということは至極当然の話である。嫌なことがあれば「僕が無能だから仕方ない」などと表面上で自虐的に振る舞っていたが、実際には何の反省もしていなかったのである。「そんなことないよ~」などといったくだらない情でも欲しかったのであろうか、この男は。そんな私が普段の行いで”あること”を心がけた結果、教授からダメ出しを受けることはなくなった。





その”あること”とは・・・



次の記事にまとめます^^。